最終更新日 2025年1月19日
お金持ちのお嬢様、お坊ちゃまが通うところだと思う方も多いかも知れません。
日本で音楽大学と言うとある種特異なイメージを持つかも知れません。
でも音楽大学も大学です。
若干異なる部分もありますが、例えば人文学部だ、経済学だと言った、たくさんある他の大学の専門部、専門科と変わらないと考えることもできます。
「つぶしが効く」とか、「就職に有利」だからその大学を選ぶ、と言う方法もありますが、興味や学びたい意欲を持って学校を選択される方も多いと思います。
その中の一つとして、音楽と言うものがある、と考えても良いでしょう。
そもそも「音楽」は、西洋文化においては重要な学問の一部を担いました。
世界のあり方の研究の一環、とさえ考えられるのです。
例えば音の広がり、和音の協調性。これらはれっきとした自然科学、物理を含みます。
楽譜を読みながら幾何学を感じ取ることもある、と語る音楽家もいるほど、自然と密接な関わりを持っています。
簡単に言うと、自然から生まれた人間が「美しい」と感じる事象を突き詰めていくのが芸術、その中でも特に音と時間経過に特化した分野が音楽になるのではないでしょうか。
こういった、普段の生活とは何ら影響を持たない知識について研究しているのは、何も音楽ばかりではありませんよね。
化学しかり、数学しかり、その分野に魅了された方が集い、学び合う場があるとすれば、それが大学と言うことになるのでしょう。
人類にとって、それがどんな有益なものかさえ問わず、ひたすら追いかけて行くような研究が可能なのは、やはり大学でしかないでしょう。
人類の知識は、これまでそうした人たちの努力の積み重ねで成り立っています。
決して一人、二人の天才が見つけたひらめきではありません。
まるでリレーの様にバトンをつなぎながら、今日までたどり着いているものです。
音楽の世界も、決して音楽の演奏のみの追求ではありません。
果てしない努力、研究の結果が「演奏」と言う形で結実しているのは事実です。
しかし音楽大学の存在意義は、演奏する人材育成を結論としていません。
人類がもっと先へ歩むために、存在しているのではないでしょうか。