最終更新日 2023年3月3日

1.コンビニ商品開発の過程と流れ

コンビニは便利ですが、特徴の一つとしてコンビニ各社でその企業らしい商品を開発しているということが挙げられます。

プライベートブランドでは、お菓子を始めお弁当や麺類、日用品など様々な商品開発がなされています。

そんな商品開発は業界では花形とも呼ばれます。

そんな新商品を開発する過程は基本的にはコンビニチェーンでの流れは同じです。

それを知ることによって就活生や転職を考えている人にも参考にもなります。

まず、新しい商品を開発する一番最初は企画会議によってコンセプトを決めていきます。

弁当やお菓子など季節に影響されるメニューは基本的には3ヶ月〜半年先のメニューはざっくりと決まっていますが、細かいメニューはやはり春であれば夏から秋にかけてのメニュー、夏には秋から冬にかけてのメニューを考えていきます。

毎週新商品を発表することを考えると半年分で24種類の新商品を考える必要があります。

ざっくりとしか決まっていないメニューを各自アイディアを出して、本格的に開発を進めるのです。

発売3ヶ月前には、しっかり内容を詰めていきます。

コンセプトがある場合には、そのコンセプトに合った人気や料理やお菓子などを徹底的に調べます。

情報収集方法には個人差がありますが、人気レシピサイトなどを使ってコンセプトに合ったメニューなどを見ていき、そこからどんな味付けが人気か、使われている材料は何か、盛り付けはどうすれば華やかに見れるかなどを分析します。

インターネットではアンケートでどんなメニューが好きか、などの情報も公開されているため、そのような情報を総合して多くの人に受け入れられるメニューを考えていきます。

2.誰にでも受け入れられるメニューを考えることがポイント

自分が食べたいものではなく、誰もでも受け入れられるメニューを考えることがポイントとなります。

中には、自分が食べたいメニューにこだわって作ったという商品もありますが、これも情報を分析した上で自分が食べたいメニューを色々な人に受ける形にした商品になります。

発売2ヶ月半前は、収集したデータをもとにメニューの詳細を決定します。

上司にメニューのプレゼンを行い、集めた情報をもとに売上予想や味のイメージなどを伝えます。

承認されれば、本格的に開発を開始します。

発売2ヶ月前になると、商品を入れる容器を決めていきます。

内容量によってコストが変わってくるため容量選びは重要です。

容器は朋和産業などメーカーによって容量や形などが変わってきます。

カタログを使って容器の目星をつけたら各メーカーにサンプル依頼を出します。

5〜10種類程度の容器を決めておき、その後食品のサンプル依頼を出します。

メニューにしようするメーカーに片っ端から連絡し、メニューのコンセプトを伝えて何種類もの材料を送ってもらいます。

場合によっては直接メーカーの営業の方と会い、商品のプレゼンをしてもらうなどします。

何種類もの材料を使ってどのような味になるのかなどを試すことになるため、根気のいる作業となります。

そのため、発想力だけではなく地味な作業が好きという人に向いています。

3.メニューの試作から完成までの工程

発売1ヶ月半前になると、実際にメニューの試作を開始します。

どれだけ焼成時間や煮込み時間などを細かいデータとして取っていきます。

焼き時間によって変わる美味しさ、焦げ目のつき方、クレームにならない焦げ目のつき方にならない焼き時間など、様々なデータを取るために何度も試作します。

実際の商品は工場で作られるため、焼き時間や材料の分量などのキチンしたレシピを工場に提出する必要があるため詳細なデータを取っておくことが重要となります。

小麦粉や塩、砂糖などの配合、タレの量など何度も試す必要のある工程です。

美味しい配合を見つけるための工程でもありますが、コストオーバーをしてもダメですのでコストを計算しながら美味しい配合を見つけるというバランスが取れるように行っていく作業です。

コストもレシピも決まったら日持ち検査を行います。

各社によって日持ちの条件は異なりますが、真夏の炎天下で丸二日晒しておいても食べられたら合格だとされています。

コンビニの商品では添加物が大量に入れられているため、腐ることがないのです。

発売1ヶ月前になると、具体的な肉や野菜の量などの商品に入れるものの内容やコストなどを算出していきます。

最後に試食サンプルを3種類程度作って、そのサンプルを部長などに試食してもらい分量などの意見を聞きながら商品を完成形に近づけていきます。

ここで合格すると社長にプレゼンします。

社長のプレゼンに合格しなければ一からやり直しとなるため、絶対にプレゼンを通すことが重要です。

社長は消費者目線で商品を見るため、コストなどを考えずに美味しさなどを求めてきます。

しかし、コストなどのことも考えて作るのが商品開発という仕事です。

ここを乗り越えると商品のレシピやカロリー計算、商品の詰め合わせなどに問題がないかテストなどを行います。

全て発売一週間前までに終わらせるのが、コンビニ商品開発の仕事となっています。