最終更新日 2025年1月19日
ストックオプションは、あらかじめ定められた価格で自社の株を購入できる制度です。
会社が権利を付与し、従業員は好きなタイミングで権利を行使することができます。
たとえば、「今後5年間、1株500円で1,000株まで自社の株を購入できる」という権利が付与された場合を考えてみましょう。
株価が上昇したとしても、5年間は500円で購入することができます。
自社の株価が1,000円になったときに1,000株全て購入し、すぐに売却すると購入価格と売却価格との差額から500,000円の利益を得ることが可能です。
株価が下がっているときには権利を行使しなければ良いので、損失が出ることはありません。
社員のモチベーションをアップさせることで業績を上げやすい
この制度を導入すると、たくさんのメリットが得られます。
企業側にも社員側にもメリットがあるので、積極的に導入を検討する企業が増えていることを知っておきましょう。
まず、企業側のメリットとしては社員のモチベーションをアップさせることで業績を上げやすいというものがあります。
株価を上昇させるためには業績アップが必須であり、大きな利益を得るために努力する社員が増えるはずです。
結果として、ストックオプション制度を有効に活用したいと考える社員の力によって業績が上がっていくでしょう。
社員全員に付与している場合は、多くの人のモチベーションをあげることができるだけでなく、チームワークの向上に役立つ可能性も高いと言えます。
優秀な人材を確保しやすい
優秀な人材を確保しやすいことも企業にとっての大きなメリットです。
先のことを考えてインセンティブを導入している企業に注目している就活生や転職者が増えているので、将来を見込んだ優秀な人材の確保に繋がるかもしれません。
また、1度入社した社員は権利の行使前に辞めるともったいないと考えるので、離職率が下がりやすいです。
業績がアップした際には待遇も良くしていけば、社員にその会社にまだ勤めていようと考えさせることができます。
新たな優秀な人材を確保するだけではなく、入ってきた優秀な人材を流出させないためにも役立てることが可能です。
自己資金による投資と違ってリスクがない
社員側のメリットとしては、自己資金による投資と違ってリスクがないというものがあります。
自己資金で投資を行う場合、上手く運用することができなければ大きな損失を出してしまうことがあるでしょう。
ストックオプションを活用する場合は、自社の株価が下がっているときは権利を行使しなければ良いだけです。
自己資金で投資するときと異なってリスクがないので、安心して利用できるというメリットがあります。
多くの社員がストックオプションによる利益を得るために高いモチベーションを持って働くようになると、周りの社員から良い刺激を受けやすい優れた環境に身を置くことができるというメリットも感じられるはずです。
まとめ
ストックオプション制度を導入すれば、企業にも社員にもメリットがあります。
ただし、権利を付与される人付与とされない人が社内に混在していると社内不和が起こるかもしれません。
そして、これだけを目当てにしている社員がいれば、利益を得たら退職してしまうかもしれないです。
そのため、導入に不安を感じている企業もありますが、明確な付与条件を設けておくこと、この制度以外にも社員にとって魅力的な待遇となるように工夫することでトラブルを回避できるでしょう。
導入の際にはいくつか注意しておかなければならない点もありますが、会社の業績をアップさせるためには積極的に導入することがおすすめの制度だと言えます。
あらかじめ特徴などを詳しく知り、適切に運用できるように制度設計を行っておけば、ストックオプション制度を活用して会社を良くすることができるでしょう。